ホントに切りつけたいのは


消えない腕の傷痕たち

反撃をぐっと我慢した数

助けてと叫べなかった数

許さないと刻み込んだ数

自分事のように胸を痛めた数

泣きたいときに笑った数

生(ツヅキ)を確かめたかった数

死(オワリ)を確かめたかった数

ホントに切りつけたいのは

世界の残酷さで

私ではないのに







ゆめかわいいの前提


ユニコーンの自由意志

乙女を乗せるか乗せないか

パステルに甘んじるか

そこには確固たる合意がある

ゆめかわいいが成り立つのは

誰も彼に手綱をつけたりしないから

ラベンダーのたてがみは

虹色の風になびくだけ



オッカムの剃刀


難しいこと 考えすぎて

凄惨な世界になっちゃったんでしょ

思考を節約せよ

オッカムの剃刀で

暴力の起源をそぎ落とせ

理想郷は

単純明快さの先にあり



少女Sの本音


恋心が桃色なんて
一体全体 誰が決めたの?
私のは燃えるような紅
灰色の私の心臓に
映える差し色の紅を
残してくのが想い人
だから 紅は恋の色
奇人変人と言われても
その花の色は紅ではないと
物見遊山に笑われても
感じたように染めさせてよ
これが私の恋の色
君にとっての差し色になりたい



かくれんぼ


空谷の 

底にこころのかくれんぼ

見つからぬ

ままの夕暮れ

置いてけぼりの