朝泣き


誕まれて このかた
寝て起きる度に悶える心臓とか
目が回りながら上り下りした階段とか
自分で読めない日記の文字とか
片づけられないまま陽が昇り
詩でも書いたつもりかと伏せる頃

愛の名を語る拷問が
今日も重なる
今日もきこえる
「助けて」と

もうダメかもって
覚めてすぐ泣くのを
撫でるように文字にして
形を持たせて軽くする
日々は自分へのエアリプだ
そうやって生きてきたんだよな

無力さに咽ぶ
痛みを落としたキャンバスとか
其れを外して残った額縁とか
奪うために与えられたものとか
腑に落とせないまま陽が昇り
いつまでと声をあげて泣く朝に

愛の名を語る茶番が
今日も嘯く
今日もきこえる
「助ける」と

せっかく届いたのに
届かないものばかり 
喜びは裏切るけれど
悲しみは裏切らないからしつこい
君を癒す魔法が使えない
そうやって消えていくのかな

ブログとかポエムとかいうカテゴリの中
残骸を湯煎で溶かすように
ゆっくり心に心を込めるだけ

もうダメかもって
朝日が薄い青に染める部屋で
滂沱たる涙は 劈く号哭は
誰にも知られぬまま
そうやって消えていくんだろう